【事例1】オンラインによる探究の授業実践事例 常翔学園高等学校ガリレオプラン
<概要>
常翔学園高等学校では、総合的な探究の時間に「ガリレオプラン」という課題探究の授業を3クラスが、13のゼミ(化学、生物、物理、数理探究、情報、社会科学、人文科学と大阪工業大学の研究室に協力をしてもらっている6つのイノベーションゼミ)に分かれて行っている。大まかな流れを書くと、1年時には啓林館の 『課題探究メソッド』を用いて探究の手法を学び、2年時にはゼミに分かれて研究活動を行って研究発表会を行い、3年時にはそれを論文にまとめている。 今年度常翔学園では、4月が休校で、5月からはオンライン授業となった。現在、2年のゼミ活動がオンラインで2回行われているので、その様子を紹介する。
<実際の流れ>
第一回授業5/19(火)13:30~15:05
1年次にゼミに分かれているため、教員がGoogle Classroomでゼミ生を招待し、活動開始。
各ゼミの担当教員により、使うアプリもやり方も異なる。
化学ゼミでは参加者全員の合意を得た上で、LINEグループ通話で自己紹介。これによりiPad(生徒全員が入学時に購入)でロイロノートの作業をしながら、教員の指示が可能になった。友人関係ではなく、本人の興味で研究テーマを決める為に個人ワークで本人の研究したい内容について文章を書き、Classroomで提出させた。
生物ゼミではGoogle Meetによる自己紹介のあと、研究したいテーマをロイロノートで提出させ、教員が班分けを行った。
数理探究ゼミでは、zoomで自己紹介を行った後、アイスブレークの為のクイズをロイロノートで配信した。その際、ロイロノートを開いていてもzoomの音は残っているため、教員による音声指示が可能であった。その後自己紹介をzoomで行った。
情報ゼミでは、課題として自己紹介YouTubeを限定公開せよという指示を出していた。その他、個人ワークの為に参考となるサイトの紹介、論文検索方法の紹介を行ったゼミもある。また、大学の先生に実際足を運んでもらわずとも、zoomで話し合いに入ってもらえるため、オンラインの方が良いこともあることが分かった。
第二回授業5/26(火)13:30~15:05
第2回ではGoogle Meetを使うゼミが多かった。研究テーマごとに生徒に部屋を開いてもらって話し合っている所に、ゼミの担当教員が順番に訪れて進捗状況を聞く。研究テーマを決める話し合いとしては、実際に実験室に集まって話合うのと、何ら変わりなく話し合う事が出来ていた。また、大学教授のアドバイスを受けるのは、対面よりも近くに感じて聞きやすいようであった。
人文科学ゼミでは、前回の宿題の自分の研究したいテーマとその理由を順番に発表してもらっていた。提出箱をスクリーンに映し出し、担当教員はそれを背景にして全員に共有しながら、発表させていた。これにより、実際に教室で集まって発表するよりも、みんながしっかりと聞く事の出来る発表となった。
少なくとも、あと2回はオンラインによる探究の授業が続くが、生徒も教員も楽しみながら、研究テーマだけでなく新しいやり方も、探究していきたい。